父が他界したあと
数週間で母の癌の告知を受けたとき
わたしは悲しくて涙が止まらなかった
けれど
他界した父が
私に呼びかける声がした
『お母さんが大変になるから、先に逝った』
父は不器用な性格で
母の気持ちを疲弊させる人だったが
この世で私にだけは
無償の情を持っていた人だったから
母を背負う私を気遣って
一足先に天国にいったのだろうと
私は思った。
お父さんがそうしてくれたんなら
私は頑張らないとね
そう思って今日に至る
父の葬儀のとき
孫は
骨になったひいじいをみて
ひいじいは恐竜の化石になったの?
と聞いた。
なので娘が
ひいじいは
お空にいって、お空からみんなをみているんだよと
優しくいった。
5歳になった孫は
飛行機に乗ると必ずひいじいを探すそうだ
飛行機でお空の上にいったから
ひいじいがいないかなと探してみたけど
居なかった
いつも残念そうに
私に教えてくれる
亡くなった家族は
こうして人の想いの中で
存在し続ける