アムリタヨガスタジオ(YOGA FEEL )

小郡市東野のヨガスタジオ

母とフルーツ

子どもの頃

夏になるとお風呂には水がはってあり、

そこに大きなスイカが浮いていた

父が居るときは

母は上品に一口大にスイカを切り分け

ガラスの器に盛り付けていたが

私と二人の夏の昼間は

大きなスイカをパカンと半分に割ると

大きなスプーンで

テーブルの向こうからとこっちからと向かい合って食べた

『はい、これはかよちゃんの分』

と母がスプーンを器用にくるっと、まわしながら取り分けてくれたのは

種のない真ん中の真ん中の美味しいところ

 

 

わたしは身体が小さくて

当時は食も細くて

加えてそんなにスイカが好きでなはかったので

ほんの少ししか食べてはいなかったはずだけど

 

父が帰る頃には

その半分のスイカは消えていた。

母の胃袋に‼️

 

 

メロンも同じ

父には薄く上品に切り分けられたデザートとして食卓にだされ

 

母と食べるときは半分

そしていつも真ん中の甘いところだけ私にくれた

 

 

母は沢山食べてはいたけど

美味しいところはかならず私に食べさせていた。

 

 

母はフルーツが大好きで

テーブルにはいつも季節のフルーツが盛られていて

パイナップルを丸ごとかってきて器用に切り分けることができる主婦だった

 

 

 

 

 

母にフルーツを毎日買って帰る

母が美味しそうに食べている

 

ああ、良かった

今日は食欲があるんだな

美味しく食べられるんだな

 

 

大事な人が

美味しく食べている様子は

心が満たされる。

 

 

こんな気持ちで、母をみることになるなんて

子どもの頃は思いもしなかった。

 

 

今は自分を『筋金入りのクソ甘え』

と称する娘が

 

いつか、わたしをこんな気持ちでみるようになるかとおもうと

 

 

むずがゆくもあり、切なくもある。